アキナイ山王亭の成り立ち

■全てはある商人の思いから

全てのきっかけは3.11だった。

 

ちょうどその時期、商店街ではアーケードの完成を数日後に控え、

完成パーティーの打ち合わせなど、全てがその方向に向きかけていた矢先の出来事。

 

そのイベント自体を自粛するという気持ちもそうだが、

何より強く思った気持ちは、

 

「オレたちは、同じ商人だ。

 だから、商人流で手伝うんだ」

 

大森ウィロード山王商店街の理事たちは、こう語る。

 

3.11東日本大震災の被害を知り、

義援金を送りたいと思った。

 

けれど、

ただお金を送るだけではなく、

 

「商人どうしの助け合い方」

 

でチャレンジしたいという気持ちで、

被災地で商売をしていた方が、

再び商売道具を購入するための資金として、

義援金を集めようと決めた。

 

そして、

宮城県石巻の二代目魚屋さんと

接点ができた。

 

次は、

義援金をつくろうと決めた。

 

そのとき、

あることに気づく。

 

大森ウィロード山王商店街にある、

シャッターが閉まっている店の存在だ。

 

閉店間際の履物屋さんだった。

 

この店の履物を売らせてもらおう!

と掛け合い、

譲ってもらうことができた。

 

商人だから、

品物を売って、お金に代えて、

それでまた品物を買って。

 

そんな風に、

被災地の方に、

また商売をはじめてほしい!

熱い気持ちだった。

 

商人魂の結果、

1足500円で2000足の履物が売れ、

そのお金を、義援金として、

石巻に持っていくことができた。

 

だが、商人の命である

売り物がない。

 

これでは、

肝心の商売ができない。

 

そんなとき、

石巻焼きそばに出会った。

 

うまかった。

 

交渉してわけてもらい、

これを商品にすることにした。

 

こうして、支援の輪は広がった。

 

商人は商人のやり方で、

自分たちのチカラで、

また、一歩踏み出せる、

そんな想いがカタチになった。

この履物屋さんは、

2012年無料お休み処

「アキナイ山王亭」

として生まれ変わった。

 

ここを起点に住民、

商店街が交流できる場所を目指し、

平日は「高齢者見守りネットワーク」の「みまーもステーション」、

毎週土曜日には「石巻マルシェ」なども開催している。

またその他の団体も思いを持ってここで活動している。

 

1足の履物を売る。

 

そこからはじまったアキナイ山王亭は、

もっとたくさんの人々を巻き込み、

新たな価値を生み出し、

「オオモリが好き」

という人たちを増やす基地になる。

 

その一歩を、いま歩みはじめている。